今日は祈りと人々との関係についてお話しましょう。
ハネムーンや旅行でバリ島を訪れて気づくことの一つに、道端に落ちているカラフルなお花や草が入った、葉っぱでできた箱のようなものが置いてあることが挙げられます。中には花や草だけではなく、キャンディーやお菓子、お金さえいれてあることがあります。これは「チャナン」といわれ、朝晩のお祈り(スンバヤン)の際に使用するもの。
日本でいうと、お菓子はお仏壇やお墓へのお供え物に、お金は神社やお寺でのお賽銭に相当するものでしょうか。
人々は毎朝夕に水浴びをし(マンディ)、身を清めてから、お香に火をつけ、手で空(くう)を切るような所作で聖水を撒き、祈りを捧げます。
私たちのヴィラでも、毎日スタッフが1日2回これを行ってくれます。またバリ・ヒンドゥーの暦の上でも大事な祭日(ハリ・ラヤ)の日は、主人と私もスンバヤンを行うことがあります。
2人とも日本人ですし、ヒンドゥー教徒ではありませんが、お祈りをすることによって、不思議と心も体も清まった気がして、しゃきっとしたすがすがしい気持ちになります。
さて、この使い終わったチャナン、どうすると思いますか?キレイに見えても1度お祈りに使用すれば、その役目を終え、次のお祈りのときにゴミ箱行きです。
さらに、道端に備えられているチャナンは、お祈りが終われば、あとは踏んづけられようが、ぐちゃぐちゃになろうが、OKなんです。アバウトですが、これがバリ島らしさでもあります(笑)。
だから、街歩きをするときにわざわざよけて歩く必要はありませんよ。
またお店のレジ脇のチャナンに、お釣りの小銭を入れてあげるとお店の人はとっても喜びます。
お互いにっこり笑って「サンパイ・ジュンパ(また会いましょう)」と言い合うのも、旅のいい思い出になりそうですね。
またお祈りに参加する機会があれば、ぜひ参加してみてください。何ともいえない神秘的な充実感に包まれますよ。
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瀬田川 ハルミ (せたがわ はるみ)
2011年12月から移住。スミニャックの隠れ家ヴィラ"Rumah Dua Tiga"のホストとして、主人と共に宿物語を書き綴っている。2012年10月にバリ島にて出産、新米母としても奮闘中。
https://www.facebook.com/halcyon8644
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